牧野理英副会長の単著『抵抗と日系文学――日系収容と日本の敗北をめぐって』(三修社、2022年)が第8回日本アメリカ文学会賞を受賞しました。
おめでとうございます。
牧野理英副会長の単著『抵抗と日系文学――日系収容と日本の敗北をめぐって』(三修社、2022年)が第8回日本アメリカ文学会賞を受賞しました。
おめでとうございます。
日時[Time and Date]:2023年11月18日(土)15:00-18:00 [3:00 pm-6:00 pm on 18 November 2023, Sat.]
会場[Venue]:神戸大学人文学研究科B棟2階 B233教室 [B233, Graduate School of Humanities, Kobe University]
※対面&遠隔(Zoom)のハイフレックス開催です
特別講演[Special Lecture]
Prof. Dorothy J. Wang(Williams College USA)
“Re-thinking the ‘English’ in English Literature through Anglophone Asian Writing”
発表[Presentation]
Sophia Hana Dickey(Graduate Student, Fukuoka Women’s University)
“Blurred Lines: Shifts Between ‘Remembering’ and ‘Forgetting’ in Juliet S. Kono’s Anshū: Dark Sorrow”
※「特別講演」は、基盤研究(B):「アジア系トランスボーダー文学」の包括的研究枠組創成と世界的研究ネットワーク構築(代表者:山本秀行)の助成を受けています。
問い合わせ先(Contact):AALA Office aala.jp.office@gmail.com
【参加方法】
<対面参加希望の方>当日直接会場までお越しください。
<遠隔(Zoom)参加希望の方>次のGoogleフォームでお申し込みください。https://forms.gle/CfXBL34eHeJKkTp2A
登録締め切りは11月15日(水)です。
※ 会員以外の方で参加ご希望の方もGoogleフォームでお申し込みください。
アメリカのロサンゼルスを中心に活躍する、マルチメディア/パフォーマンス・アーティストのDan Kwong(ダン・クワン)氏をお招きし、人種的ステレオタイプとそれに抗するご自身のソロパフォーマンスについてご講演いただきます。興味をお持ちの方はどなたでも歓迎いたします。皆様、ふるってご参加ください。
日時:2023年10月5日(木)15:10~16:40
会場:神戸大学人文学研究科B棟2階 B233教室
講師:Dan Kwong(Multimedia/Performance Artist)
題目:“Border-Crossing Through Music in Multicultural Los Angeles”「多文化主義的ロサンゼルスにおける音楽による越境」
使用言語:英語
※なお、Dan Kwong氏は、2023年10月7日(土)15:00~17:00 神戸大学人文学研究科B132(視聴覚室)でも特別講演されます。併せてご参加ください。
Lecture Title:Trans-Cultural Identity, Conflict & Solidarity in the Stageplay “Masao and The Bronze Nightingale”「演劇「マサオとブロンズ・ナイティンゲール」におけるトランスカルチュラル・アイデンティティ、対立(コンフリクト)、連帯(ソリダリティ)」
日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究(B)「「アジア系トランスボーダー文学」研究の包括的枠組創成と国際的ネットワーク構築」(研究代表者:山本秀行、研究課題番号23H00613、2023~2025年度)助成事業
共催:アジア系アメリカ文学会(Co-hosted by AALA)
問い合わせ先: 山本秀行(神戸大学人文学研究科 hdyamamo@lit.kobe-u.ac.jp)
Trans-Cultural Identity, Conflict & Solidarity in the Stageplay “Masao and The Bronze Nightingale”
Mr. Dan Kwong, a multimedia/solo performance artist based in Los Angeles, will talk about Asian American art projects based on his work.
DATE: October 7 (Sat) 14:00~16:00
VENUE: B132 → B233, Graduate School of Humanities, Kobe University *HyFlex via Zoom
SPEAKER: Mr. Dan Kwong (Multimedia/Performance Artist)
LANGUAGE: English
HOW TO JOIN:
In-person: Please come directly to the venue (no need to register in advance)
Zoom: Please register in advance via the link by Wednesday, October 4. https://forms.gle/38jF2efxeDGpQ7bC9
CONTACT: Hideyuki Yamamoto hdyamamo@lit.kobe-u.ac.jp
CO-HOST: Asian American Literature Association in Japan
※本講演会は、基盤研究(B)研究課題名「「アジア系トランスボーダー文学」研究の包括的枠組創成と国際的ネットワーク構築」(研究代表者:山本秀行、研究課題番号23H00613、2023~2025年度)の一環として開催されます。
「アジア系(アメリカ)文学研究と翻訳」 プログラム
日時:2023年9月24日(日)9:50~
会場:神戸大学人文学研究科B棟1階132教室(視聴覚教室)[ランチョンは人文学研究科A棟1階学生ホール]
*ハイフレックス開催(Zoomでも参加可能です)
9:30 ~ 9:50 受付
9:50 ~ 10:00 開会の辞 山本秀行(AALA会長:神戸大学)
10:00 ~ 12:00 特別講演
「日本語/英語で書くときに私の書くこと」[“What I Write About When I Write in Japanese/English”]
講師:吉原真里 氏(ハワイ大学)[Prof. Mari Yoshihara, University of Hawaii]
司会:中地幸(都留文科大学)
12:00 ~ 13:00 ランチョン [人文学研究科A棟1階学生ホール]
13:00 ~ 13:30 総会
13:30 ~ 16:30 シンポジウム「アジア系(アメリカ)文学研究と翻訳」
司会:山本秀行
講師:麻生享志(早稲田大学)、トーマス・ブルック(追手門学院大学)、濱田麻矢(神戸大学:中国文学)
コメンテーター:小林富久子(早稲田大学(名))
16:30 ~ 16:40 閉会の辞
* 会場での飲食は、蓋つきのペットボトル等のドリンク以外お断りします。
※本フォーラムは、JSPS科学研究費(基盤研究(B)「「アジア系トランスボーダー文学」研究の包括的枠組創成と国際的ネットワーク構築」2023-25年度)の助成を受けています。
[登壇者プロフィール・発表概要等]
[特別講演]
講演者紹介:吉原真里 氏(Prof. Mari Yoshihara)
1968年ニューヨーク生まれ。東京大学教養学部卒、米国ブラウン大学博士号取得。ハワイ大学アメリカ研究学部教授。専門はアメリカ文化史、アメリカ=アジア関係史、ジェンダー研究など。著書に『アメリカの大学院で成功する方法』、『ドット・コム・ラヴァーズ――ネットで出会うアメリカの女と男』(以上、中公新書)、『性愛英語の基礎知識』(新潮新書)、『ヴァン・クライバーン国際ピアノ・ コンクール――市民が育む芸術イヴェント』、『「アジア人」はいかにしてクラシック音楽家になったのか?――人種・ジェンダー・文化資本』、『親愛なるレニー――レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』(第35回ミュージック・ペンクラブ賞、第80回日本エッセイスト・クラブ賞、第11回河合隼雄物語賞受賞)(以上アルテスパブリッシング)、共編著に『現代アメリカのキーワード』(中公新書)、共著に『私たちが声を上げるとき――アメリカを変えた10の問い』(共著、集英社新書)。英語の著書に、Embracing the East: White Women and American Orientalism (Oxford UP, 2002)、Musicians from a Different Shore: Asians and Asian Americans in Classical Music (Temple UP, 2007)、Dearest Lenny: Letters from Japan and the Making of the World Maestro (Oxford UP, 2019)など多数。水村美苗『日本語が亡びるとき』を英語に共訳。
[シンポジウム概要]
従来、著名な翻訳家の実践的な翻訳術、あるいは比較文学的視点から著名な翻訳文学の研究に重きを置いた日本特有の「翻訳論」とは異なる、欧米に起源を持つ「トランスレーション・スタディーズ」(Translation Studies)が、近年、日本でも注目されるようになってきた。
これまで、外国文学研究において、文学テクストの翻訳不可能性(untranslatability)ゆえに、翻訳ではなく、原典を読まなければならないという「原典至上主義」が自明のものとされてきた。一方、「翻訳大国」とも言える日本における外国文学研究において、翻訳された文学テクストは「原典」を読みことが困難な多くの読者を獲得し、その研究の裾野を広げてきた。このことは、アジア系アメリカ文学(研究)においても言える。たとえば、藤本和子訳のマキシン・ホン・キングストン『チャイナタウンの女武者』(晶文社、1978)、中山容訳のジョン・オカダ『ノー・ノー・ボーイ』(晶文社、1979)、大橋吉之輔訳のトシオ・モリ『カリフォルニア州ヨコハマ町』(毎日新聞社、1979)など、1970年代後半にアジア系アメリカ文学の古典の優れた翻訳が次々と出版されたことは、その後の日本におけるアジア系アメリカ研究の成立と発展に大いに貢献したことは言うまでもない。
また、山本秀行が研究代表を務める科研プロジェクト(「「トランスボーダー日系文学」研究基盤構築と世界的展開――「世界文学」的普遍性の探究」2019-21年度基盤研究(B)、「「アジア系トランスボーダー文学」研究の包括的枠組創成と国際的ネットワーク構築」2023-25年度基盤研究(B))における研究パースペクティヴの一つ「トランスレーショナル(翻訳媒介)文学」では、村上春樹や多和田葉子などの翻訳と創作の関係あるいは日本語のテクストから外国語に翻訳されることによって生み出される言語的・文化的トランスボーダー性について研究を進めてきた。
このような背景を持つ本シンポジウム「アジア系(アメリカ)文学と翻訳」では、ヴェトナム系アメリカ文学の研究のみならず、ラン・カオの翻訳を手掛けてこられた麻生享志氏、リービ英雄などのトランスナショナル文学を専門とし、トランスレーション・スタディーズにも精通されている気鋭の研究者トーマス・ブルック氏、現代中国女性文学の第一人者で張愛玲などの翻訳を手掛けてこられた濱田麻矢氏をシンポジストとしてご登壇いただく。さらに、日本におけるアジア系アメリカ文学研究、女性学を初期から牽引され、トリン・T・ミンハやモニカ・トゥルンなどヴェトナム系の翻訳を手掛けてこられたAALA前会長の小林富久子氏にもコメンテーターとしてご登壇いただく。本シンポジウムでは、文学研究としての翻訳、翻訳行為によって生み出される文学的創造性、あるいは言語だけでなく文化の翻訳による言語的・文化的トランスボーダー性など、翻訳の肯定的側面に焦点を当て、アジア系(アメリカ)文学の翻訳の関係についての発表・ディスカッションが活発に行われることを期待している。なお、各シンポジストの発表概要は以下の通りである。(山本秀行)
シンポジスト発表要旨
麻生享志(早稲田大学)
「アーカイヴと翻訳――ヴェトナム系難民文学の「アフターライフ」」
トランスレーション・スタディーズが注目を浴びるようになって久しい。ヴェトナム系では、「雑多なものの共存」を意図したトリン・ミンハが、「幾つかの言語、文化、現実をつなぎあわせひとつの総体とする」ことを「文化翻訳」ないしは文化の「ハイブリッド化」と呼ぶ。
一方、ヴェトナム系難民文学とは、多くの犠牲者の上に成り立つ、数少ない生存者が構築する文学である。それはベンヤミンがいう「アフターライフ」としての存在であり、それを多/他言語化して接ぎ足す翻訳作業は、その「アフターライフ」を「ポストメモリー」として広く共有するための手段である。また、脱越の歴史を人々の記憶に刻印するには、翻訳を含む難民文学の「アーカイヴ」化が求められる。
本発表では、ヴェトナム系難民文学における翻訳という行為を、実践と理論の双方から検証し、難民文学のアーカイヴ構築がもつ可能性について論じる。
トーマス・ブルック(追手門学院大学)
「文脈依存の翻訳行為――リービ英雄の日本語作品における英日翻訳の引用と表象に関する考察」
創作の言語が作者にとっての「第一言語」でない場合、創作行為に翻訳行為が介在しているはずだとよく言われる。その過程を構想することはしかし、必ずしも容易ではない。一方、リービ英雄の日本語による文学作品では、語り手・視点人物が英語と日本語をはじめとする複数の言語に囲まれながら翻訳行為に関与している様子がしばしば描写されている。本発表では、リービの作品における、こうした翻訳行為の前景化を作者自身の創作行為と関連づけて考察したい。具体的には、作者がかつて英訳した『万葉集』の英訳がそのまま引用された後、和訳された英語の証言が次々に引用される展開を持つ短編「宣教師学校五十年史」(2015)を取り上げ、こうした作品内のいわばパフォーマティヴな翻訳行為が、作者による創作行為という作品外の文脈と絡み合うことにより、他言語への翻訳困難性とも結びつく、高度に文脈に依存した文学的な価値が生み出される過程を明らかにする。
濱田麻矢 氏(神戸大学, 中国文学)
「カノンを撹乱するテクスト――イーユン・リーの描く中国」
母親、母語、母国から遠く離れて英語創作を続けているイーユン・リーは、自作を中国語に翻訳することも拒否しているという点で英語創作華人作家の中でも特異な存在だが、彼女の創作の多くは中国を対象としている。まず医学を志し、留学先で創作を始め、中国の救いようのない現実を容赦なく描くことから、彼女の文学的態度はよく魯迅と比べられてきたが、リーは「自分は魯迅を好まない」と、中国文学のカノンからの決別を宣言した。本報告では、極めて「魯迅的」な彼女のテクスト、The Vagrant を中心にリーと中国及び魯迅との距離について考えたい。
【参加申込方法】
・対面・遠隔(Zoom)にかかわらず、ご参加を希望される方は、2023年9月16日(土)までに次のGoogleフォームでお申し込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd33826ZlIqx7cKMFAY1leVXGu2gK3hS3sj4ujHsT889g8kNw/viewform?usp=sf_link
※こちらのフォームで、ランチョン(弁当1,000円)の注文も同時に受け付けています。
※ご宿泊先については、各自でお申し込みください。なお、この時期は観光等で各施設の混雑が予想されることから、早めのご予約をおすすめいたします。
【お問い合わせ】AALA Office aala.jp.office@gmail.com