AALA Journal No.27

第29回AALAフォーラム「オンライン開催」《アジア系アメリカ文学の新世紀――21世紀初頭のピューリッツァ賞・全米図書賞受賞作/ファイナリストを中心に》
・フォーラム趣旨説明
・ピューリッツァ賞への道――ヴィエト・タン・ウェンの『シンパサイザー』における「ヴェトナム」表象とアメリカ文学史(麻生享志)
・成功物語としてのミン・ジン・リーの『パチンコ』(藤井爽)
・容赦なく語ること――A Little Lifeにおける暴力の表象(加藤有佳織)
・アメリカの彼方へ――ジュンパ・ラヒリ『低地』にみる永遠への眼差し(志賀俊介)

論文
・二世の贖罪意識についての考察――John Okadaと森崎和江の比較から(仁平千香子)
・リタ・ウォンの「水」をめぐる想像力――undercurrentを中心に(岸野英美)
・カービイ・ラーソンの『ダッシュ』とロイス・セパバーンの『マンザナの風にのせて』を多文化主義児童文学のオーセンティシティの基準から読む(小松恭代)

特別企画:エッセイ「コロナ禍に読む一冊」
・「ウィルシャー通りのバス」――コロナ禍における人種差別問題への視点(水野真理子)
・NgとKogawaが書くアジア系アメリカ――戦争暴力とコロナ禍におけるAsian hate(遠藤緑)
・医師として、作家として――Vincent LamのBloodletting and Miraculous Cures(岸野英美)
・コロナ禍に再考するイーユン・リー「黄昏」の沈黙と脆弱性(井上明紀)
・カズオ・イシグロ『クララとお日さま』に見る近未来の日常と格差(大久保良子)

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AALA Journal 執筆要領
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編集後記

THE 143RD MEETING(第143回例会)

【日本語】
以下のように、3月例会(第143回)例会を開催します。ご多忙とは存じますが、どうか万障お繰り合わせの上、ふるってご参加ください。
※新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のために、Zoomを利用したウェブ開催になりました。

日時:2022年3月19日(土)14:00~18:00

・研究発表(14:00~15:30)
1)古川拓磨(神戸大学(院))
「キリスト教的観点に基づくヒサエ・ヤマモトの「フィレンツェの庭」の分析――戦争体験と異人種間交流の考察」
2)渡邊真理香(北九州市立大学)
「クィア・セオリー以前期におけるアジア系レズビアン文学」

・特別企画:「『アジア系トランスボーダー文学』合評会」(15:30~18:00)
評者:中垣恒太朗(専修大学)
塚田幸光(関西学院大学)
杉山直子(日本女子大学)
※2021年10月にAALA会員が中心となって編集・執筆した論集『アジア系トランスボーダー文学――アジア系アメリカ文学研究の新地平』(小鳥遊書房)が刊行されました。本書の合評会を「特別企画」として開催します。

Zoomの接続等についてのご質問がありましたら、事務局までお問合せください。
問い合わせ先: アジア系アメリカ文学会事務局 hdyamamo@lit.kobe-u.ac.jp

【English】
Owing to the pandemic condition of COVID-19, this web meeting will be held via Zoom. We look forward to seeing you again at the meeting on Web.

[Date and Time] 2:00pm-6:00pm, March 19, 2022

[Presentations]
1) “Considering War Experience and Interethnic Relations in Hisaye Yamamoto’s “Florentine Gardens” from a Christian Perspective”
Takuma Furukawa (Graduate Student, Kobe University)
2) “Asian American Lesbian Literature before Queer Theory”
Marika Watanabe (University of Kitakyushu)

[Special Session] “Reading Transborder Asian Literature: The New Horizon of Asian American Literary Studies (Takanashi-shobo, 2021)“
Reviewers:
Kotaro Nakagaki (Senshu University)
Yukihiro Tsukada (Kwansei Gakuin University)
Naoko Sugiyama (Japan Women’s University)

For more information and questions regarding the meeting access, please feel free to contact: hdyamamo@lit.kobe-u.ac.jp (AALA Executive Office)

『アジア系トランスボーダー文学ーーアジア系アメリカ文学研究の新地平』(小鳥遊書房、2021年)

『アジア系トランスボーダー文学――アジア系アメリカ文学研究の新地平』

【本の内容】
アジア系アメリカ文学から「アジア系トランスボーダー文学」へ
アメリカとアジアの間を往還する「世界文学」としてのアジア系文学、SF、グラフィック・ノベル、クイア文学、原爆文学など、ジャンル的な広がりをみせるアジア系文学、エコクリティシズム、マルチカルチュアリズム/マルチレイシャリズム、インターレイシャリズム、人種的ハイブリディティ、ポリカルチュアリズムなどの特徴を持ったアジア系文学……。領域的・地理的のみならずジャンル的・パースペクティヴ的にもトランスボーダー化した文学を「アジア系トランスボーダー文学」として研究を進展させる論集。


【目次】
序 アジア系アメリカ文学研究の新地平を目指して/山本 秀行(編集代表)
第Ⅰ部 領域的・地理的トランスボーダー化するアジア系文学研究
第1章 ヴェトナム系アメリカ難民の文学――創造と再生/麻生 享志
第2章 初期アジア系アメリカ文学のトランスボーダー性――スイシンファーの作品を再読する/松本 ユキ
第3章 日系日本語文学におけるトランスボーダー性――移民地文芸の探求において/水野 真理子
第4章 野口米次郎の翻案探偵小説探訪――『幻島ロマンス』(一九二九年)の東京府地図/宇沢 美子
第5章 根(ルーツ)を下ろす場所を求めて
    ――トランスボーダー文学としてのジュンパ・ラヒリ『その名にちなんで』/志賀 俊介
第6章 ボルヘスとオースティン
    ――カレン・テイ・ヤマシタの『三世と多感』における迫害言説への抵抗/牧野 理英
第Ⅱ部 アジア系文学のジャンル的トランスボーダー
第7章 SFとしてのアジア―アジアSF前史――ディック、ロビンスン、チャンへ至る歴史改変想像力/巽 孝之
第8章 アジア系グラフィック・ノベルの現在/中地 幸
第9章 二一世紀のアジア系セクシュアル・マイノリティ文学――交差する人々の物語/渡邊 真理香
第10章 アジア系詩人フレッド・ワーの実験詩
    ――『センテンスト・トゥ・ライト』における「ハイフネーション」の機能/風早 由佳
第11章 日系文学と原爆
    ――ナオミ・ヒラハラの〈マス・アライ〉シリーズにみる放射能汚染とポスト植民地主義の言説/松永 京子
第Ⅲ部 トランスボーダー化するアジア系文学の研究パースペクティヴ
第12章 人新世における共生の物語――ヒロミ・ゴトーの『ダーケスト・ライト』/岸野 英美
第13章 ヴェリナ・ハス・ヒューストンの戯曲にみる多文化多人種の象徴としての「茶」の役割/古木 圭子
第14章 日系カナダ人と先住民の交差――ジョイ・コガワの小説から考える/加藤 有佳織
第15章 人種ハイブリッディティから生じる不安と超克
    ――ニーラ・ヴァスワニの『あなたが私に国をくれた』/ウォント盛 香織
第16章 フレッド・ホーの〈アフロ・エイジアン・コネクションズ〉にみる
    ポリカルチュアリズムとその新たな可能性/山本 秀行
あとがき
索引

書籍情報は小鳥遊書房HPより
https://www.tkns-shobou.co.jp/books/view/364

AALA News No.59

会報 “AALA News” 第59号が発行されました。2021年度(第29回)AALAフォーラムの詳細や「おすすめの研究ツール」を紹介するエッセイ特集を掲載しています。ぜひご一読ください。

AALA News No.59

AALA FORUM 2021(第29回)

2021年9月19日(日)

ウェブ開催(Zoom使用) 12:00頃からZoomミーティングを開始します。

12:15~13:00 総会

13:00~14:30 研究発表
仁平千香子(山口大学)
「二世の贖罪意識についての考察――John Okadaと森崎和江の比較から」
岸野英美(近畿大学)
「水資源の危機――Rita WongのUndercurrentを読む」

14:30~18:00 シンポジウム
「アジア系アメリカ文学の新世紀――21世紀初頭のピューリッツア賞・全米図書賞受賞作/ファイナリストを中心に」司会:古木圭子(奈良大学)
発表:
麻生享志(早稲田大学)
「ピューリッツァ賞への道――Viet Thanh Nguyen, The Sympathizerにおける「ヴェトナム」表象とアメリカ文学史」
牧野理英(日本大学)
「「島」と日系アメリカ――I Hotel(2010)を読む」
藤井爽(近畿大学)
「成功物語としてのMin Jin Lee, Pachinko
加藤有佳織(慶応義塾大学)
「容赦なく語ること――Hanya Yanagiharaの小説における暴力の表象」
志賀俊介(成蹊大学)
「故郷の影とともに――Jhumpa Lahiri, The Lowlandにみるインド系移民のアメリカ像」

会員以外の方で参加をご希望の場合は、事務局までご連絡ください。